裏VGAとかトランスコーダのお話

MGS4発売を機にPS3を購入した猫さん。でしたが、当時家にはアナログなテレビしか無かった為コンポジット接続でMGS4をプレイしていました。
その時のPS3は我が家唯一のハイデフ機という事もあり、HDな映像を楽しめないコンポジットでの映像に不満をもっていました。
そんな時にゲーム機でPC用のモニタを使う裏VGAなる存在を知り、その効果と面白さにのめり込んでいった時の覚え書きです。

映像のお話という事で色んな機器で試したかったのですが、手元に色々と実験できる機体がPS3くらいしかないのでPS3での話が中心です。

内部コンテンツリンク

プロローグ

PS3 de 裏VGA【Lv1】:ゲーム画面をPC用モニタに映し出す!
PS3 de 裏VGA【Lv2】:Sync on Green非対応モニタを対応させる!
PS3 de 裏VGA【Lv3】:裏VGAをHD映像に対応させる!

映像関連用語 mini Wiki

プロローグ

裏VGAとは標準ではコンポジットなどのテレビ用出力しかない家庭用ゲーム機をPC用モニタ(VGA・RGB)で表示させる業の事です。
デジタル入力(HDMI)を備えたPS3の様な機器では標準の機能でPC用のモニタに映像を映し出す事が可能です。
しかし、猫さん。の手元にはアナログ接続のモニタしか無かった為HDMIを利用する事が出来ません。だから裏VGAを使う事にしたのです。

まず、裏VGAはゲーム機でPCモニタを利用する業、ということなんですがなぜテレビでなくPC用モニタなのか?
その利点は以下の通りになります。

・走査方式がプログレシッブである。
・テレビとの用途と構造の違いから細かい映像まで奇麗に映せる。
・PC用途であるその仕様と特性からか色々と無茶がききやすい。

などなどですかね。
特にプログレッシブである点は大きいポイントだと思います。
テレビに通常使われているのはインターレースと言われる方式でコンポジット接続もその方式が使われています。
インターレースという方式はデータの転送量が少なくて済む代わりに映像のチラツキや色の滲みが発生する事があるという特徴があり、これはプログレッシブで表現する事ができれば解消する問題なので画質向上には嬉しいポイントであるというワケです。

それとテレビは映像を見るため、PC用モニタは文字など細かいものを観る為に最適化されていると言われています。
そのためにテレビより字がボケにくいと言われたりします。(ホントかどうかは解りません)

PC用モニタはVGA接続(アナログ)のものを使用します。モニタがDVI(デジタル)に対応してるならHDMIで接続した方が話が早いです。
CRTと液晶の映像特性からCRTの方が効果を実感しやすいです。なので裏VGAをするつもりならCRTをおすすめします。
今回のこの話もCRTで使う事を前提としています。

〜ちょっとヨタ話〜
裏VGA以前にPC用モニタを利用するという事であればアップスキャンコンバータ(アプコン)を使う方法が思い浮かぶと思いますがアプコンは映像信号の周波数を変換するためどうしても画質の劣化や変換に伴う遅延が生じます。
それらを解消できるほど良いものを使おうとなると数万円クラスの値段になるなど正直お手軽とは言いがたいです。
その点において裏VGAはゲーム機からの出力をそのまま利用するので安くお手軽に高画質になる可能性があるという夢の様な業と言えるワケです。

TOP▲

PS3 de 裏VGA【Lv1】
ゲーム画面をPC用モニタに映し出す!

それでは前置きはそのくらいにして、

PC用モニタの接続方式はVGA(RGB)接続です。そのため裏VGAを使う為にはPS3のAVマルチ端子をVGAに変換するケーブルが必要です。
かつてPS2が全盛の時にはVGAに変換する純正ケーブルが売られていてそれを使えば簡単に裏VGAを使う事が出来るのですが、PS2Linux用として発売されていただけであり数も少なくとても貴重なケーブルだったりします。
非純正品なら今でも売ってたりしますが、難しい回路とかを組む訳ではないのでわざわざ買うより自作しちゃった方が早いです。安いし。

まず、材料ですがAVマルチのコネクタとVGA端子の2つだけです。

AVマルチのコネクタは何かの製品から再利用するのがベターでしょう。
PS2(3)用に売られてるコンポーネントAVケーブルを探しても良いかもしれません。
ただし、PS3付属のケーブルは必要数のピンしかないため利用出来ません。
サードパーティーの非純正ケーブルとかだと全てのピンに線が通っているものもありますが、おすすめは右写真に写ってるSONY純正の映像分配器です。

初代PSの時に販売されていたもので今ならジャンク品として大量に転がっています。
全てのピンに線が通っていますし分解して中の基盤を利用すれば配線も楽です。

VGA端子は部品屋で買っても何かのジャンク品などからもぎ取ってきてもOKです。
買ってくるときはコネクタのオスメスを間違えない様に注意。

PS3のAVマルチコネクタとVGA端子のピンアサインは右図の通りです。

必要な線は赤、緑、青、GNDの4つです。
ピンアサインを参考に赤は赤に緑は緑にという風に線を繋いでいけば簡単に作れます。

コンポーネントAVケーブル(SCPH-10100、SCPH-10490)を利用する時はCr/Prを赤、Yを緑、Cb/Pbを青としてVGA端子に接続すればOKです。

GNDはVGA側の6、7、8番の様に専用線として分かれている事がありますが内部で普通のGND(5番)に繋がっていたりするのでどの線を使っても多分大丈夫です。
不安ならばAVマルチの5番とVGAの5番を使うのが無難だと思います。

変換ケーブルが出来たらPS3とPCモニタを接続して映像出力の設定を変更します。

XMBの[ディスプレイ設定]から[映像出力設定]に進み[AV MULTI/SCART]を選択。
最後に[RGB]を選択してPC用モニタに映像が映る事を確認したら設定を終了させます。

実際に裏VGAでゲーム画面を映した所です。
デジカメで撮影したのでどのくらい画質が向上したのか解りませんが・・・、
※画像はクリックで拡大できます。

コンポジットと比べてみるとこの様になります。
今回使用しているモニタはSONYのCPD-17MSというCRTでPC用モニタとして使用できる他、テレビやコンポジットビデオ入力も備えてる代物です。

色味にかなり違いがありますがモニタ側の設定でかなり変わるので色は無視してください。
実際コンポジット入力の設定を確認してみたらかなり過激にセッティングされていました。

一方、裏VGAの方は暗い印象を受けますが製造から10年以上経っているモニタという事もあってか輝度が落ちこんでしまっているのだと思います。
VGA表示での輝度調整はTVほど過激に設定できないみたいなのでコレが限界です。


【左:裏VGA(RGB 480p)】【右:コンポジット(480i)】

文字部分をアップして撮影してみるとこんな感じに。
文字の細かい部分まで表現されている裏VGAと比べてコンポジットは文字や色の境目がボケていたり滲んでしまってるのがわかると思います。
プログレッシブとインターレースの違いはあれど同じ解像度でこれほどの違いがでるのは驚きですね。

細かい部分まで忠実に表現されるのでロングな画でもキャラクターの表情が潰れる事無く分かりますし、動いているときは生きてその場に居るかの如く画がヌルヌルと動きます。これは人によっては感動を超えて狂喜すると思いますwそれほど凄いです。
これでかかった費用はジャンクの映像分配器(300円)とVGAコネクタ(100円)だけなのでスバラシイの一言ですね。

じゃあ、これでハイデフな映像をガンガン楽しめるのですね?と言われるとそうではなく、やっぱり世の中そんなに甘くも無いワケで・・・。
ローコストで手軽に画質向上を実現できるこの裏VGAですが、やはり全ての環境で使えるワケではなくある条件の下で使える環境が限定されてします。

その条件とは・・・

使うモニタがSync on Greenに対応している事。

今回はその"Sync on Green"に使ったモニタが対応していた為に裏VGAが使えたのです。
使うモニタがそれに対応していなければ裏VGAを使う事は出来ません。
現にこのモニタの他に液晶含めて2台ありますがそのどちらも使う事は出来ませんでした。非対応のモニタだったようです。

一体Sync on Greenとは何なのか?非対応のモニタでも使う方法はないのか?

それは次のLv2にて・・・。

TOP▲

PS3 de 裏VGA【Lv2】
Sync on Green非対応モニタを対応させる!

さて、先ほどまでの作業でPS3で裏VGAを使う事が出来る様になりました。
しかしこのままではSync on Greenという仕様により一部のPC用モニタでしか裏VGAを使う事ができません。

なのでこのLv2ではSync on Greenに対応していないモニタでも裏VGAを使う為の対応策をご紹介します。
Lv1と違って少し回路を組む必要があるのでその分難易度が上がります。


【AVマルチとVGAのピンアサインおさらい】

そもそもSync on Greenとは何なのかというと、
「RGBのGreen(緑)の信号線で緑の信号に加え、映像を映す為の同期信号も同時に送る方式」の事です。
本来、VGA端子には同期信号用の接続ピンが別に用意されています。(13番と14番)
基本的にPC用のモニタはそちらのピンで同期を取る事を前提としている為モニタがこのSync on Greenに対応していない場合が多いのです。

しかし、PS3に装備されているAVマルチ端子には同期信号専用のピンは存在しません。
その為に同期信号がのっている緑の線から同期信号を分離してやる為の回路が必要になるのです。

回路といっても同期信号分離用のICがあるので少ない部品数で済みます。
LM1881NというICで近所の部品屋で400円ほどで売ってました。
回路図はこちらのサイトを参考に。↓

PS2 Linux Kitを非対応モニタで使おう!

参考というより殆どそのまんまなんですが^^;

ただ一点、この回路には無極性のコンデンサが2つ使われているんですが、セラミックコンデンサを使うべきかフィルムコンデンサを使うべきかでちょっと悩みました。
このICを使ってる人の制作例を色々と見てみると、セラミックだったり、フィルムだったり、混ぜてたりするなど様々なのであまり気にしなくて良いのかなとは思いますが、なるべくならアナログな回路なのでフィルムコンデンサで組むのがベターだろうと思います。

しかし猫さん。はこの回路をセラミックで組んでたりします。丁度余ってたのでw

LM1881Nの6番に繋がっている抵抗は「210k〜640kΩの固定もしくは可変抵抗」としてますが、参考元のサイトによるとLM1881Nは個体によってバラつきがあってデータシート通りの抵抗値(640kΩ)だと同期がうまく取れない事があるそうです。
心配なら200kくらいの固定抵抗に加えて可変抵抗を挟んでおけば半田付け後でも抵抗値を調整できるので楽です。

こうして出来上がった回路をLv1で作った変換ケーブルに組み込んでSync on Greenに対応していないモニタで映してみると・・・、


【使用モニタ:WACOM DTI-520(液晶)】

映った!けどなんか緑色・・・。

実はこれもSync on Greenの影響によるものです。
先ほどの回路で緑の線から同期信号を取り出しはしましたが緑信号に乗っている同期信号を削除した訳じゃありません。
Sync on Greenに対応していないモニタでは同期信号がのった緑の信号をそのまま受信してしまいます。
同期信号がのっている分だけ緑信号はほか2つの色信号より電位差が大きくなるため緑色が強くでてしまうというワケです。
これはモニタ側の色調整ではどうしようもないので、大きくなった電位差をなんとかするか乗っかっている同期信号を削除するしかありません。

※コレから先は内容が実験的になります。色々と解釈を間違えてる部分があると思うのであまり参考にならないと思います。

同期信号を削除する回路は無いものかと色々探してみるとこちらのサイトにたどり着きました。

YPbPr to RGB トランスコーダの製作

記事はトランスコーダに関するものですが、ページ下部に"同期信号削除 回路図"というものがあったのでそれを参考にします。
オペアンプを使った回路の様で先ほどの紹介したサイトの人も"オペアンプ使ってできそう"と言われていたのでこの回路が使えるかもしれません。

結構本格的な回路を組むので必要な部品は先ほどより大幅に増えます。
まず、オペアンプであるLT1399、オペアンプ用のマイナス電源を作る為のICL7660、信号を反転させる74HC04とこの3つが必要です。

近所の部品屋で7660CPA(ICL7660と同等品)と74HC04(AP)を調達。
LT1399は部品屋で売っていなかったので秋月の通販で注文しました。

秋月で扱っているLT1399はSSOPパッケージなので注意。
ハンダ付けして使うには変換基盤が必須なほど小さいです。

金額はコンデンサや抵抗も含めておおよそ2000円くらいになりました。
手数料や変換基盤が高いです・・。なぜサンハヤトの基板だけ別格に高いのでしょう?

全体的な回路図は以下の様になりました。


【同期信号削除回路(信頼性無し)】

回路図通りに組んて出来上がったケーブルはこの様な姿に。→

箱を作らずそのまま組んでいるので線だらけでグチャグチャですw
ケーブルでの引き回しはノイズが入るので好ましくありませんが一応テスト用という事で。

当初、同期信号がのってる緑線のみに回路を挟んだのですが、その状態で試したところ色のバランスがおかしくなったので3本全部回路に通しました。
参考にした回路の抵抗値を変えてしまっているのが良くないのかもしれません。
事情により終端抵抗も省いているので信頼性という点では皆無ですこの回路図・・。


【Sync on Green、緑化現象対策後】

実際に映し出してみるとこのような感じになりました。
抵抗値を変えたりして不安でしたが一応緑がかった映像では無くなっていますね。ちょっと青っぽいかもしれませんが許容範囲です。

ただ一つ、CRTでは問題なかったのですが液晶(DTI-520)で映し出した時に明るい色が主体で映っているときは暗い部分がより暗く、暗い色が主体の時は明るい色が白く飛ぶ様な映り方をします。基本的に液晶で裏VGAを使うつもりは無いので別にいいのですが気にはなりますねぇ・・・。
やはり何か解釈や使い方を間違えている気がしてなりません。。。

とりあえず当初のSync on Green非対応モニタで表示させるという目的は果たせたので良しとしています。

TOP▲

PS3 de 裏VGA【Lv3】
裏VGAをHD映像に対応させる!

これまでで裏VGAを使ってモニタに映し出す画の画質を向上させてきました。
実際にコンポジットの時と比べて格段に画質は良くはなりました。が、それでも不満はあります。
それはPS3のRGB接続は480p(SD)までの解像度しか設定する事が出来ないという事。

HDMIやD端子は1080p(フルHD)まで設定できるので高解像度の映像を楽しむ事が出来ます。
その迫力たるや480pの時とは比べ物になりません。
裏VGAの画質そのものに不満はありませんが解像度がいかんせん低いためPS3の性能をフルに発揮してるとは言い難いです。
それに低解像度故に少し画も荒い印象を受けるのも否めません。

PC用モニタはその仕様上480p(640×480)という解像度より遥かに高い解像度を表現する事が可能です。
なのでフルHD(1920×1080)とまではいかなくともせめてHD、720p(1280×720)ぐらいは表示させてみたいものです。
しかし現実にPS3で設定できるのは480pまで。

裏VGAはここら辺が限界なのか・・・?

そこで、何か手は無いものかと色々と調べてみるといくつかののキーワードを発見しました。
「トランスコーダ」「D端子とコンポーネントは中身が同じ」「RGBとコンポーネントは数学的に等価」などなど。

( ゚д゚)「ほぉ〜、数学的に等価・・・」

( ゚д゚)「ほぉ〜、中身が同じ・・・」

( ゚д゚)「ほぉ〜、トランスコーダ・・・」

 ?
(; ゚ω゚)「ハテ?トランス??」

( -ω-)「・・・」

アァッ!(; Д ) ゜゜YPbPr to RGB トランスコーダの製作

そういえば既に参考にしてましたw
実は当時RGBとコンポーネントの関係やトランスコーダがどういう物か全く知らなかったので裏VGAには関係ないだろうと思い込んでいたのです^^;
(さらにD端子がデジタルの意味だと思っていた事は秘密;;;)

まぁ猫さん。の大ボケはともかく、トランスコーダという物がとても有用そうな物である事が分かりました。
参考元に書かれているトランスコーダーは今手元にある材料で作れます。
ちゃんと作る事が出来れば裏VGAをD端子としてPS3に接続できるので解像度の問題も解決できそうです。コレは早速実行せねばいけませんね。

とその前に、RGBとコンポーネントは数学的に等価ということなので試しにLv2までに作った変換ケーブルでD端子出力を設定してみたところ・・・


【裏VGA用変換ケーブルでコンポーネント1080p出力】

おぉっ!画が緑色ですが映りました。それも1080pで!
使用モニタはCPD-17MSですがモニタの仕様解像度を超えてなぜか映っています。(仕様上1280×1024が最大)
とは言っても映像が途切れたりするので完全な対応とは言えませんが。

いずれにせよますますトランスコーダを作りたくなってきました!
それではLv2までに作った変換ケーブルを元に改造していきましょう。

今度は変なアドリブをきかせず参考元の回路図通りに組み立てていきます。
回路図は以下の通り。


【LT1399を使ったトランスコーダー】

回路図そのものは参考元とほとんどそのまんまです。もはや丸写しです^^;
ただ、抵抗が密集しているところだけは変換部として書き方を少しアレンジしています。
抵抗が密集して記号では書きづらかったので四角の中に抵抗値を直接書いています。抵抗値の小数点やk(キロ)の存在にご注意ください。
書き方が違うだけで部品の構成や抵抗値などは同じです。(一部のバイパスコンデンサなどは独断で省略しています。)

この回路ではオペアンプに反転させた同期信号を混入させる必要が無いので74HC04APは不要になります。
ただし、信号を変換したからと言って同期信号が無くなった訳ではないので同期信号の削除が必要になった場合は再度使う事になります。(後述)

基本的にはLv2までに作った変換ケーブルのAVマルチコネクタからLT1399までの間に抵抗をいくつか挟んでいくだけなのですが、変換部に使う抵抗がかなりの数になるので回路図と同じ様に基盤を独立させました。見た目はこんなだけど中身は結構ややこしい・・・。

指定の抵抗値に合わない場合は値が近くなるよう抵抗をいくつか組み合わせています。

購入時の抵抗。ちゃんと仕分けておかないと大変です。
変換部や色んな部位の含めて・・・42本?うへぇ・・・。(´д`;)
字が汚いとかは無しの方向でw

コレだけで1000円近くかかったとか違うとか。

完成したケーブルはこんな感じになりました。→
抵抗の固まりが付きましたが見た目は基本的にLv2の時と大差ありません。
ケーブルのカオスっぷりも・・・。

終端の75Ωが付いてない様に見えるけど気にしない。
撮影時に忘れてただけでこの後ちゃんと付けました^^

それでは出来上がったこの"トランスコーダ"でコンポーネント映像を映し出すと・・・、

映りました!
少し赤っぽい感じの映像ですが色調節機能でカバーできそうなくらいの誤差です。
CPD-17MSにはその色調節機能がないのですがそれでもあまり気にはなりません。


【RGB(480p)、コンポーネント(480p)】

同じ480pという事でRGBと拡大比較。色味以外で変化があるかと思いましたがほとんど違いはありませんでした。
このお手製トランスコーダでも画質そのものは落ちていないみたいです。

それで肝心のHDな高解像度の映像が映し出せるか、という事ですが結果から言うと表示できませんでした。

表示自体は一応出来たのですがSDを超える解像度を設定をすると映像が乱れたり同期が不安定だったりしてまともに使えそうな状態ではありませんでした。
右の写真はこのトランスコーダでDTI-520(液晶)に1080iで出力した時のものですが、手持ちのモニタで色々と試した中で唯一安定している様に見えました。

ただ、映ってくれた事は嬉しいのですが今回は液晶よりCRTに映す事を目指しています。
それに映像の解像度が最大級に高くても液晶の特性上、仕様を超える高解像度の映像を映すのは画質や安定性からいって好ましくありませんしあまり意味もありません。
しかもこの設定で安定するかは未知数ですし、なにより画が白く飛んでしまっています。

画が白く飛ぶのはコンポーネント信号を変換した際に輝度信号(Y)に載っていた同期信号がRGB全部の線に載る様になってしまった(Sync on RGB)為、それと輝度が落ちたCPD-17MSで快適な輝度が得られるよう終端抵抗を小さくした為です。
(本来75Ωで終端すべきところを30Ω程の抵抗を使っています)

抵抗は後々調節できるよう可変の物に替える予定ですが、同期信号はLv2で紹介した回路(参考元の方)を入れて取り除かなければいけません。
しかし、あの回路を作るのにもう一つオペアンプ(LT1399)が必要になるので今回は見送ります。
そもそもCRT(CPD-17MS)の方では安定した画質で映っているのでこれ以上弄る気は起きません^^;

しかしこのままではハイデフな映像は映し出す事が出来ません。
映す時に映像が乱れたり同期が不安定になるという事は同期信号を扱う部品が疑わしいワケですが、そもそも今回使っている同期信号分離用のLM1881NというICはHD映像を扱うには力不足らしく実用上480pまでが限界のみたいです。(仕様では720pまで対応しているらしい)

ちゃんとHD映像の同期信号を扱う様にするにはLMH1981というチップを使うのが良いみたいです。
仕様書に1080pに対応と書かれている代物なのですが探してみたところ日本国内では売ってない様で入手するなら海外で注文するしかないみたいです。
販売代理店みたいなお店もあるのですがそこでの手数料などと合わさると結構高くつくので1チップだけ買うのは勿体ないです。

ならばどうすれば良いものか・・・。

そう言えば先ほどSync on RGBの話が少し出ましたね。
Sync on RGBというのは赤、緑、青全ての色信号に同期信号が載っている方式の事です。
Lv2で話したSync on Greenが緑線にだけ同期信号が載っていたのに対し、3本全ての線に同期信号が載っています。
その為、Sync on Green非対応モニタで表示させた時の様な緑化現象は起きません。その代わりに映像が白く飛ぶ様になります。
それが先ほどのDTI-520での白飛び現象です。

今回、お手製トランスコーダによる信号変換により輝度信号に載っていた同期信号が3本に分散されSync on RGBの信号になった、という事です。

・・・ん?

ならSync on Greenに対応できるモニタならLM1881Nがなくても映す事が出来る?
ふとそう思ったので同期をSync on RGBに任せるべくLM1881Nからの同期信号を切ってみたところ・・、


【LT1399トランスコーダ・コンポーネント1080p出力】

おおおぉぉ・・・・、

映った!しかも1080pでっ!!

CPD-17MSでは色に載った同期信号よりもVGAの13、14番に入力された同期信号を優先するみたいですね。
今まではLM1881Nの信号が優先されて映らなかったのでしょう。しかしモニタ内部の部品が1080pに対応できるとは思いませんでした。

色々と試したところ480p、1080i、720p、1080p全ての設定で映す事が出来るのを確認しました!\(´∀`*)/ワァーイ

ただ、1080pではモニタ側でどう設定しても映像の端っこが切れます。
720pや1080iだとモニタの設定次第で16:9の映像を全部収められるのですがなんで1080pだけ切れてしまうのかは不明です。
しかも1080pでVGAケーブルが長かったりするとノイズの影響からかゴーストが発生するようです。ケーブルが短いと問題ありません。

HD唯一のインターレースである1080iは表示こそ問題ない様子でしたがモニタの設定画面(OSD)が画面外に切れるなどの不具合がありました。
以上の事から1080系は一応表示できるけどちょいちょい不具合があるみたいなので使うのはやめといた方が良いかもしれません。
どちらもモニタの最大解像度を超えて映してるのが問題なのかな?

とりあえず720pが一番安定してるみたいなのでそれで常用してみる事にします。
解像度が高すぎるとモニタに負担をかけるかもしれませんし、サイズが17インチとそこまで大きくもないので720pでも十分です^^b
※4:3の画面に無理矢理16:9の映像を映し出すと縦領域を潰すため表示のさせ方は画面の大きさと要相談です。

最後に480pと720pの映り具合を比べてみました。
コンポジットとRGBも含めてまとめて比較してみてください。



【左からコンポジット(480i)、RGB(480p)、コンポーネント(480p)、コンポーネント(720p)】

拡大画像の720pは解像度の割にボケて見えますがコレはデジカメのピントが合わなかった為です。
肉眼でみると明らかに480pより奇麗で滑らかに見えるのですがデジカメだとなかなか思った様に撮る事が出来ませんでした。
画面全体では720pは480pに比べてキャラクターや背景の模様などがさらに細かく見える様になり画的に奥行きが増した印象を受けます。

実際にゲームをプレイしてみましたが解像度が上がって視認性はもちろんの事、臨場感もコンポジットの時とは全くの別物になりました。
自然物などの描写があると感動できるほど奇麗に表現されます。
それと今更ながら感心してしまうのがブラウン管の特性です。発色の良さや黒の締まり方などは液晶では遠く及びません。
何より画の動きが激しくても目が疲れてこないですし応対速度の低さによる残像が皆無なのも良いですね。

ただ、画面が小さいのだけ難点ですが、その不満が出てきたその時はもう素直にHDMIに移行しちゃいます。
とりあえず壊れるのを待つだけだったCRTをまた有効利用できるので良かったです^^

という事で以上、裏VGAでHD映像を楽しむにはトランスコーダを利用する事で解決できました。
といっても今回はモニタが運良く無理が利きやすい機種であったためですけど。

結局、同期信号に関する部分はあのまま放置状態です。
代わりの部品がが国内で手に入らないんじゃどうしようもありませんし。。。
そこまで完全を求めたいならもはや既製品を買った方が良いのでは?と思ったりします。

既製品と言えばaitendoでHD映像にも対応できるであろうトランスコーダが売られていますね。
5000円前後とお手頃な価格なのでコレを買っても面白かったかもしれません。

そう考えると当初"手軽に"と言ってた割にあまりお手軽感が無かったかなぁと思える覚え書きだったと思います^^;

TOP▲

映像関連用語 mini Wiki

コンポジット映像信号
今現在最も普及している映像信号の規格。コネクタは黄色で色分けされている。
輝度、色、同期信号を1本のケーブルにまとめて映像機器に伝送される方式。
機器内に入力された信号は画として出力する為に輝度、色、同期信号に再分解される。
しかし、一度信号が混ざった後再び正確に分解する事は困難な為、結果的に画質が劣化していまうという特性がある。

コンポーネント映像信号
輝度、色、同期信号をそれぞれ分解して扱えるようにした映像信号。
3種類の信号を個別に伝送するためコンポジットのような画質劣化は起こらない。
映像機器はコンポーネントで動作する様に作られているためノイズ以外で画質を劣化させる要因が少ないのが特徴。
画質重視のRGB方式と伝送・記録の効率化を重視した輝度・色差方式がある。

D端子
その名の通り"D"の形をした映像用の端子。よく間違われるがデジタルの"D"ではない。
コンポーネント映像信号を一本のケーブルとして取り扱える様にしたもので中身はコンポーネント映像信号と同一。
日本独自の規格で基本的に日本の機器にしか装備されていない。

VGA端子
アナログRGBコンポーネント映像信号を出力(入力)するためのコネクタの事。
本来VGAとは解像度の規格の事であり名前がVGAなのはこのコネクタを採用したグラフィックボードがVGA規格に準拠していた為と言われている。
別名:D-sub

DVI端子
上記のVGA端子のデジタル版とも言えるコネクタ。VGA同様PC用モニタで多く使われるコネクタで部分的にHDMIと互換性がある。
信号がデジタルであるため内部回路が同じくデジタルである液晶モニタに多く使われている。
そのせいかアナログベースであるCRTでDVIに対応した製品は基本的に存在しない。

HDMI
DVIを基に音声伝送や著作権保護の機能を加えてAV家電向けに改良された規格。
音声と映像を非圧縮のデジタル形式で伝送するため理論的には劣化しないとされている。
DVIを基にしているため一部互換性がある。

CRT
ブラウン管のモニタの事。
他にも液晶のモニタをLCD、プラズマをPDPと言ったりもする。

アップスキャンコンバータ
同期信号の周波数が異なるモニタに対応させるために高い周波数に変換する機器のこと。
その変換の特性から映像信号の劣化や遅延が起こったりする事がある。
逆の低い周波数に変換するダウンスキャンコンバータもある。

トランスコーダ
コンポーネント映像信号をRGB映像信号へ変換する機器、もしくはその逆の変換ができる機器の事。
映像用端子を変換するという意味でスキャンコンバータと誤解される事があるが、映像の周波数を変換するスキャンコンバータと色空間を変換するトランスコーダはその機能と用途からみて全く別種の機器である。
ちなみにトランスコーダという言葉は他にも色々な意味で使われているので注意。

HD
ハイデフィニション(high definition)の略称。ハイデフとも言われる。
HDと呼ばれるには縦解像度が720ピクセル以上でアスペクト比が16:9であること条件とされている。
さらに縦解像度が1080ピクセル以上、走査方式がプログレッシブであればとフルHDと呼ばれる。
縦解像度が720ピクセルに満たない場合はSD(standard definition)であるとされている。

480i、480p、720p、1080i、1080p
映像信号の規格。
数字は縦方向の解像度を表し、続く英字は「インターレース」「プログレッシブ」の頭文字。
解像度でなく走査線の数を示す別の表し方もある。

RGB
色の表現法の一種。名称は赤、緑、青の頭文字から。

YCbCr、YPbPr
色空間の事。
Yは輝度を表しCb/Pb、Cr/Prは色差を表す。
SD映像かHD映像かによってCbCrとPbPrを使い分ける。

Sync on Green、Sync on RGB
RGB映像信号のGreen(緑)の信号に映像を映す為の同期信号も同時に送る方式の事
RGBの三本全ての色信号に同期信号をのせたSync on RGBもある。

TOP▲