XPS襲来!!第一部

2011年02月13日(日)

昨年の秋頃のお話です。
とある日に私は友人であるP氏より相談を受けました。

 

P氏「おーぅ猫ひさしぶりぃ!」

猫「おほー、お久しぶりぃ」


P氏と直に連絡を取り合うのはひさしびりで、文書ではちょくちょくありましたが・・、

 

猫「でぇ?今回は一体何事なんです?」

P氏「いあーPCが壊れちゃってさっ」

猫「ほほぉ〜」

 

ごーにょごにょ(以降中略)

 

猫「この夏の暑さにやられたのかな?」

P氏「やっぱそうかなぁ・・。」

 

そう、昨年の夏は例年に無いほどの暑さだったのは記憶に新しい方も多いはず。
私に近しい方々にもその影響は確実に表れていたのです。

そこで・・・、

 

猫「どうだろう?そのPC、この俺に預けて や ら な い か ?

P氏「えっ・・。」

 

とまぁこういう訳でして、この私めの手元に届いたのが↓

 

DELL XPS M1710
[ DELL XPS M1710 ]

DELL製のゲーミングラップトップ、XPS M1710でございます。
Core 2 Duoを搭載した上にNVIDIAのGPU(Go 7900 GTX)を搭載しておりゲーミングな使用にも耐えうる設計となっております。当時の価格は20万したとかしないとか。

それにしてもこのM1710、デカイ!
もはやデスクトップ用ラップトップと言われてしまっても仕方ない事でしょう。
17インチと言えばデスクではそれほどですがラップトップになると大きく感じるものですね。

デカすぎて危うく撮影者が映りそうに・・・!

XPS ACアダプタそしてこれのACアダプタ、これまたダイナミック!
あのACアダプタのデカさで定評のあるXBOX360を今に追い抜かさんとする程の大きさです。

比較用にCanonのコンデジを傍に置いておりますが、
正に比べ物になりません。
色といい形といい、恵方巻きという表現がぴったりw

 

 

で、このM1710。一体何が故障しているのかと言いますと、

 

BIOS画面 修理前 BIOS設定画面 修理前

外部出力 修理前 グラフィックドライバ無し
[ M1710 故障症状集 ]

BIOS画面に緑色の線状のブロックが出現するという現象があるのです。
不思議な事にOSが起動するとその現象は無くなり見た目は奇麗に表示される様になります。

それだけなら別段問題は無いのですが、この奇麗に映る現象はグラフィックドライバをインストールしようとしても対応デバイスでないとはじかれたり、うまい事インストールを完了できてもブルースクリーンが発動するという状態になってしまっています。

XP標準のドライバのままでもPCとしては一応良し、ですがそれだとグラフィックの応答がなんか遅いですし、ゲーミング用途などもってのほかです。
仮にゲームを諦めてweb用途としても画面がスクロールの度にカクついて気分悪いですし、じゃあ使えないから捨てるかと言ってもこれほどのスペックを捨ててしまうのは非常に勿体ない話です。

こいつぁなんとかせんといけません!

 

調べてみるとこの症状、このモデルでよくある症状の様です。
何でもグラフィックカードそのものに原因があるとか。
そしてこのM1710の製造年を見てみると2006年である事も判明。
実はこれはある有名製品の製造年とかぶるのです。

そう、先ほど話に出たあのXBOX360(初期型)と同じ製造年。

RoHS半田への流れが加速した年のものです。
XBOX360もその流れの中にあり、あの有名なRRoD現象を引き起こしています。

RoHS半田は熱変化や衝撃に弱いのでこの年の製品にはしばしばこういう現象が確認されます。
それでもこのM1710はP氏が購入してから5年弱経っているので保っている方だとは思いますが。

 

しかしコレで確信しました。

コイツはヒートガンであぶれば直るっ!

 

早速ヒートガンを注文!

届いたのはこちらです↓

 

ヒートガン
[ 激安系ヒートガン DZL-14 ]

注文からわずか3行で品が届くとはホントに良い時代になりました。(違

XBOX360の時は自力で熱暴走をさせましたが、設計がしっかりしてるPCを熱暴走させる事は難しい(怖い)のでやはりヒートガンが必要です。

買ってきたのは激安系として楽天市場などでよく売られているDZL-14です。
400℃から600℃の熱風を放つ事の出来るヒートガンです。
コイツをドライヤー代わりに使おうもんならアナタの頭がガラハドと化しますのでご注意ください。

 

それでは物も届いた事ですし、M1710を分解していきます。

分解方法はこちらのサイトを参考にさせて頂きました。↓

XPS M1710 で行こう

コレからやろうとするリフローの記事もあるしM1710に困ったらこのサイトですね。
しかしM1710専門ジャンカーとはっ・・・、コレは格が違うwww

 

CPU&GPUファン GPU補助ファン
[ 5年の軌跡 ]

上記のサイトを参考に分解していくと内部は上の画像の様になっておりました。

 

「・・・隊長、これは・・・?」

「うむ、5年分の軌跡、というとこだろう。」

「よし、ルートを変更する。コイツの洗浄を行った後、現場に移る。」

「了解!」

 

結構日常的に使っていたと言う事でそれなりに覚悟はしていましたがコレは想像以上。

 

ファン分解
[ ファンの中身 ]

ファンを取り外して分解してみるとコレまたすごい。
やはり紫煙が混ざると埃の付き方って変わるみたいですね。
触ってみるとかなりベトベトしています。

しかし極めつけはこちら↓

 

左ヒートシンク 右ヒートシンク
[ 5年の軌跡 2 ]

「た、隊長!!スポンジです!」

「馬鹿者!よぉ〜く見ろ!」

 

思わずP氏に「スポンジ詰めた?w」と聞いてしまったら「いんやw」と返ってきました。
これは驚きを通り越して笑いを禁じ得ない映像でありましたw

実態は埃とヤニが積み重なって層となっていた物ですが、手に取ってみると確かに繊維状で断熱材とか言われてもちょっと疑えない質感でありましたw

とはいってもヒートシンクも洗わないと駄目そうです、これは。
まぁどのみちヒートシンクは外さなきゃいけなかったので丁度良いですが。

ヒートシンクはフィン部分をそのまま水洗いしても大丈夫ですが、ファンは可能な限り分解した後に水洗いできるところは水洗い、入り組んでいるところは石鹸水をしみ込ませた歯ブラシで、電子部品が近い部分は石鹸水では磨かず水オンリーで。

歯ブラシが汚れたら、ブラシ洗い流し→石鹸水付けて磨き、を汚れが付かなくなるまで繰り返し。

その結果、以下の様になりました↓

 

冷却ファン 洗浄後
[ 冷却ファン洗浄後 ]

完璧にとはいきませんでしたがそれなりに見れる様になりました。
ヒートシンクやファン以外にも媒体に付いた汚れも磨き落としました。

 

それでは内部の清掃も終わったので本題に移っていきます

 

ヒートシンクテスト1 ヒートガンテスト2
[ ヒートガンテスト ]

いきなり本番やる前に一応買ってきたヒートガンの威力をテストしてみました。

 

もうね、弱で充分すぎる!

 

ほとんど密着に近いと熱風当てて1分しないうちに多足チップを剥がせます。
本気で色々と危なすぎ・・。

一応テストしておいて良かった。修理するつもりで焼き壊してしまったら元も子もありません。

 

あっ、っていうかまだやる事あった。

まだ問題箇所のGPUチップを露出させていませんでしたw

GPUユニット問題のGPUユニットはM1710の基板を露出させた状態で基板に繋がる4本のトルクスネジを外すとヒートシンクごと取り外す事が出来ます。

CPU側は取り出す必要はありませんが、GPUユニットを取り出す時にちょっと引っかかる事があるのでCPUのヒートシンクも外せば取り出しが楽になります。

GPUチップと5-56次にユニットに付いている黒いネジを外せばGPUチップが露出する様になります。

チップを露出させたら今度はグリスを拭き取っていきます。
グリスの拭き取り方を色々と見てみると除光液や専用剤を使う人が多い様ですが、猫さん。はCRE 5-56を使います。

意外に思われるかもしれませんが、グリスの主成分は油を主としている物が多いのと5-56には粘着質を溶かす力があるのでグリスの除去には結構うってつけです。
揮発性の鉱石油ですので少し拭き残しても揮発してくれます。

半田付けのヤニ取りに効果的だったりもします。
錆落とし、接点復活に使っても良いですし、本当に万能選手。何より安い!
導電性は・・・よくわかりませんw(ぉ

ただし、カーボンフレキに使うと接点が弱くなるので注意です。主に金属に使った方が良いです。

5-56効果5-56をしみ込ませたティッシュでグリス自体にいくらか5-56液を付着させた後、しばらくしてグリスを拭き取ってみるとヌルリと取れてくれます。

これで何回か同じ事を繰り返すと・・・、

 

拭き取り完了!
[ グリス拭き取り完了! ]

ご覧の通り鏡の様にピッカピカです!
この威力!やめられない!でもちょっと臭い。。。

回りの両面テープみたいな痕は面倒なので放置。一緒に焼けちゃえ!(ぉ

 

それではいよいよリフロー作業に入ります。

その模様は動画でドウゾ!

 

最初は基板を暖める様に荒めのスイングで1〜2分、それで基板を暖めたら3分程5cm以内の距離で各チップを加熱しています。
結局3分では不安で延長しちゃってるんですけど^^;
動画は表のみですが少しの休憩を置いて裏も軽めにやっています。

冷却中はなるべくゆっくり冷えていく様に布などを被せておきます。
この状態で20分程放置。この間基板がパチパチ言います。

 

本加熱時間ですがXBOX360や先ほどのテストの経験から2〜4分程としています。(暖気をのぞく)
たまに30秒程で済ませてしまう人がいますがあまりに短すぎます。
加熱時間があまり短いとせっかく症状が治ったとしても癒着が弱くすぐまた故障、再修理というループになりかねません。

簡単に言うとトースターの最大出力でも30秒でパンは焼けますか?

という話です。(おまえは今まで食べた・・・ry)
どうせならゆっくりおいしく焼きましょう☆

 

それでは加熱作業も終わった事ですし元通り組み立てていきましょう!

グリスはXBOX360でも使ったMX-3を使用しています。
このグリス柔らかくて楽ぅ〜。

(以降の組み立て作業略)

組み立てた後、電源を入れてみると・・・、

 

リフロー後
[ 緑ブロックの無い美しき画面 ]

おぉ!?これは!!?

あれほど画面を席巻していた緑ブロックが一つ残らず消えております!

コレは・・・!もしかしてっ!!

 

修理完了!
[ XPS M1710 修理完了! ]

グラフィックドライバインストール完了ぉぉ!!

大成功です!
ドライバも問題なく入り、設定画面を呼び出してもブルースクリーンなんぞ一切表示されません!

修理は完了です!

 

でもこの話、

まだ終わりじゃない!

何事もアフターケアというのは重要。
XBOX360は修理後熱対策を施しましたが、このM1710にもそれに準ずる対策が必要です。
そうでなければまたいずれ壊れてしまいます。

 

しかし今回は話が長くなってしまったのでそれはまた明日に・・・。


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